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悲しみの社会記録。

社会に関してはいつも悲しみを背負ってきた。気がする。

長い。

前提としてぼくは理系である。故にいわゆる大学受験で使う社会科目は1つであり、大学入試センター試験というマークオンリーの試験でしか使わない。

おおむね志望校は2校ほどあるが、片方のセンター社会の配点は12/550点、もう片方は0/750点、こんな物に時間をかけるのははっきり言ってお笑いである。

ちなみに授業は全科目全くと言っていいほど聞いていない。偏にテスト前の詰め込みのみである。

小学生の頃は社会が一番の苦手科目であったにも関わらず悪を裁く法律家を目指していた。

その後学年が上がって段々と社会を舐め始めると別に法律を学んでも悪が裁けるわけではないと知ったので興味を失った。ついでにやることもないので工学部とか入れたらいいなと思い始めた。

中学で数学が楽しいと思った。思っただけで得意ではない。

 

・日本史

社会はカラダに悪い、特に日本史は猛毒だ。

別に日本に恨みがあるわけではないし、社会貢献はしていないが反社会的行動を起こすつもりもない。

当然歴史認識に関しても何か意見があるわけではないが、どうあがいても出来ない科目だった。

まず、ぼくは特に意味のない漢字の読みを覚えるのが物凄く苦手だった。

そう、ここでぶち当たる壁が人名の読みである。制度とかもなんか漢字がいっぱいあるのでよくわからなかった。でも武家諸法度は覚えやすいね。

本居宣長など読めるはずがない、織田信長は語呂がいいのでなんとか読めた。前方後円墳もぼくの記憶に現存する数少ない日本史要素である。

そもそも、俊明すら読めないぼくにこれらを要求するのはどう考えても酷だった。

小学生時代の歴史のテストは主に日本史である。したがって、小学生時代の社会の成績は酷かった。一般に小学校のテストは満点で当然と言われているが、ぼくは40~60点が常であった。

学校のテストでこれなのだから、塾のテストは素晴らしい結果ばかり残していた。

解答欄を「金閣寺」とだけ埋め2点を獲得した時は見事に親共々呼び出しを受け、塾長とたのしい面談(注1)をした覚えがある。

ただ、他の科目で社会に関しては補っていたし、公民と地理分野は直視しても問題のない程度には取れていたので中学受験でも社会に苦手意識はなかったし、考えた事もなかった。

中学校時代の歴史のテストは主に日本史である。したがって(くりかえし)

中学時代は流石のぼくも人間並の知恵を獲得していたので、悪しき暗記(注2)によって、大体7~8割の得点を獲得しその場を切り抜けていた。テストが終わった3日後には基本的に内容の8割程度を忘れている。忘却曲線がなんちゃらとかそんな甘い物ではない。

テスト直前に詰め込むcramな勉強方法であったので、当然その過程にあった小テストなどの点数は満点が100点である事を疑う値を取っていたのは言うまでもない。

今となっては歴代天皇昭和天皇天智天皇くらいしか覚えていないし、紫式部が何を書いたかもよくわかっていない。室町時代に何があったのかもよくわからない。征夷大将軍は多分焼夷弾みたいな感じだと思う。

遺跡が青森の辺りにあった事は覚えている。ああ、鹿児島の方にもあったかな、住宅街のど真ん中にもあった気がする。

高校で日本史?そんな事をしたら命がいくつあっても足りないだろう。

 

・世界史

高校からの新規追加科目。

自分は日本史の能力に何らかの生来の欠陥を抱えていると思われるのでダメかと思ったが案外いける。いける。

でも量がびっくりするほど多い。まあまあ楽しい。

こちらの中国史は漢字なのに覚えはいい。実は大体どっかで見た事がある内容ばっかなのも大きいか。

近代中国史は神だと思う。三国志はよくわからないです。

まあ、やらないだろうね。

 

・地理

昔はやれば出来た。やらなくてもそこそこ出来た。

中学一年でも地理は履修したのだが一学期で世界地図と首都を覚えさせられた。コモロの首都がモロニ、この知識は恐らく一生かかっても何かに使う事は無いだろう。

コモロモロニの発音がすごくいいので未だ覚えている。というかアフリカが好きなのでアフリカは大体覚えている。

自分の知識と偏見によるとアフリカで好きなのはコートジボワールシエラレオネである。シエラレオネは語呂はアフリカ最底辺だが、その歴史は実に複雑だ。興味があったら調べて欲しい。

コートジボワール象牙海岸という呼称に自分の何かを揺さぶられただけで特に文化などに興味はない。胡椒なだけに呼称なのだ。

最近センター地理の過去問を学校で解かされたが感覚で解いたらクラス3位だった。確信を持って解けた問題はこの1/3にも満たないし、地図の上の方にあるから多分ここは寒い!中国の左上のほうは多分砂漠がある!くらいの感覚だった。次はない。

ぼくは、社会については直前に詰め込んでダメだったら社会関係ない所受けよう!くらいのポジティブシンキングを実行しているので正直適当なのだが、国立理系至上主義で私立文系卒の担任には少し刺激的すぎるジョークなのでうっかり口を滑らせようものならばクラスの余事象となるのがオチだろう。

 

・公民

ファッキン常識科目。倫政は理系に与える受業は無いらしい(注3)ので履修したのは現社のみ。

現代社会の学年末考査で無事クラス最下位を獲得したぼくであったが、センターは当てずっぽうでいいので得意であった。

ルソーだかロックだかソルロックだか知らないがとりあえず常識がこの科目では重要なのである。制服の着用に1/3程度で失敗するなど常識(注4)のない人間であるぼくだが、常識さえあればこの科目はなんとかなる。

センター形式だと順当に60点台が取れるので、現代社会を選択するぞ!勉強するぞ!みたいに息巻いていた時期があった気がするが、志望校がどうやら現代社会を選択出来ない事が判明して計画はスピーディーかつスムーズに破綻した。

小学校時代は公民を学ぶ毎に社会のシステムの欠陥が浮き彫りになる様があまりにも恐ろしく、殆どの事項を暗記していた。

人に何らかの認識を植え付けるには恐怖が一番効果的であると教えてくれた素晴らしい科目である。中学に上がってからは未来を憂う事を諦め、社会を舐める学生になってしまったのでそこまで覚えは良くなかった。

 

【注釈】

1. 何か生徒に極端な行動が見られた時に行われる三者面談を指す。川の名前に江戸川と書くなどして以前にも呼び出しを食らった。

2.ノートの赤字部分だけを覚えてその順番通りに解答用紙に書き込むまでの一連の手順を指す。このようなテストを作る教師にも責任がある。

3.先代の学年1位が社会で倫政を選択して失敗をしついでに落ちたので担任が忌み嫌っているという説もあるが定かではない。

4.コモンセンス。