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隣のマンションの階段からは、風景がきれいに見える。

風景を見ていると、例え遠くにある構造物でも直線距離である事がよく分かる。

家から駅まで仮に2点間を結ぶ直線距離で歩けたら、通学時間はどれだけ短縮されることだろう。

家から学校まで直線距離ならば案外自転車でも問題がないくらいの時間でたどり着けるかもしれない。

家から真っ直ぐ進んでほぼ直角に曲がってしばらく進むと駅にたどり着くはずなので、だいたいの比から考えると通学時間は何分短縮されるだろうか……。風景を見ると、よくそんな事を考え、直線距離のすごさを再認識する。

それと同時に、いかにこの世界が直線距離を阻むモノに溢れているかも理解できる。

ありとあらゆる場所に家やビル、崖などが存在し、一直線へと方向を絞った場合の行き止まりを示す。

自分は、自分の想像している以上に道を曲がったり、様々な迂回をしているのかもしれない。

目的地まで真っ直ぐ進んでいると思っていても、実は微妙にズレていて一定の距離を真っ直ぐと進んで方向転換をしてからまた目的地の方向へ進んでいるなんていうこともある。

だとしたら、仮に今まで自分が直線距離に比べて迂回してきた道の総計はどれくらいになるのだろうか。

昔どこかで人間が生涯に歩く距離について見たのだが、確か、地球1周はしていた覚えはあるのでこれも結構な距離になるのかもしれない。

そういえば、中間のオブジェクトを全て無視出来るような手段があった。空を飛ぶことだ。

なるほど、飛行機は便利だし、鳥はわざわざ歩かないわけだ。